以前、長野のボンクラさんを訪問した時に、仲介の労をとってくださったお二人と、そのお友だち一人をご招待し、白子のみどころを案内しました。
初日、白子ではありませんが、まずは隣の若松にある「魚長」で、穴子料理を満喫。
ダイナミックな穴子一本丼、あなごまぶしなどに舌鼓。
次に江戸時代、白子からアリューシャン列島まで漂流し、シベリアを横断してエカテリーナ二世と謁見し、帰国したという大黒屋光太夫の記念館などを見学しました。
その後、白子の悟慎寺などを見学。
築300年と歴史が古く、紀州徳川家から保護されていたという、白子でも最も大きなお寺です。
敷地内には、樹齢400年とも言われる蘇鉄があり、古い石碑などもありますが、瓦などの凝った意匠も見どころです。
夕方、メンバー山野がリノベーションした、白子駅東商店街の立ち呑み屋「まる清」へ。
ここは早い時間からオープンしているため、白子の漁師がよく飲みに来るお店でもあるのですが、隣で飲んでいた漁師さんに、白子特産の海苔の作り方、食べ方などについて詳しく教えてもらうことが出来ました。
夜は海の目の前にある、メンバーの山野家に民泊。
翌朝、伊勢湾に昇る朝日を見た後、再び白子へ。
白子漁港の目の前にある海産物問屋「まるかつ」と、同じく漁港の近くの鈴鹿漁協の直売所「魚魚鈴(ととりん)」でお買い物。
私(宮崎)自身も、実は魚魚鈴に行くのは初めて。
いずれの店も、レジに大行列が出来ていて、とても活気があるのに驚きました。
次は伝統産業会館で、伊勢型紙の実演を見学し、体験コーナーで伊勢型紙のしおりを作成。
職人さんの技術と、本来着物を染めるためのものではありますが、型紙そのものの美しさに見とれてしまいます。
そして、自分で体験してみると、その難しさがわかります。
なお、この伝統産業会館には、伊勢型紙の他に、鈴鹿墨の展示があります。
日によっては、墨作り体験が出来ることもあるそうです。
次に訪れたのは、不断桜で有名な子安観音。
歴史あるお寺で、入り口の仁王像なども、かなり古いものです。
不断桜は、1年中桜が咲くと言われていますが、この時は残念ながら咲いていませんでした。
なお、不断桜の葉は、普通の桜よりも大きく、虫食いの穴があいています。
それが、伊勢型紙のヒントになったと言われることもあります。
その後、子安観音の門前町や、近くのお寺、古い建物や町並みの面影が残る、寺家の町を歩きました。
その名の通り、昭和の建築と思われますが、今は営業していない銭湯の昭和湯も見どころの一つです。
昼食は江島本町の「めんくいくん」。
こちらは古い町家の建物を改装して、営業しています。
海産物問屋の娘婿さんが運営されているということで、うどん、そばのダシのおいしさが自慢のお店です。
昼食の後は、徒歩で江島本町から白子本町などを散策。
現在、空家になっており「白子の歴史文化を生かす会」(山野、宮崎も所属)が保存活動を行っている、「油屋伊達忠兵衛家」を見学。
海廻問屋で財を成した、伊達忠兵衛家は、意匠を凝らした贅沢な作りの建物ですが、まだ一般公開などはしておらず、中が見られるのはメンバーだけの特権です(笑)
その後、白子の銘菓「大原實(おはらみ)」のお店、観月堂さんで、焼き立ての大原實をいただきつつ、その歴史をうかがいました。
白子にはこのお菓子を扱っている和菓子屋さんが4軒ありますが、見た目はほとんど同じで「おはらぎ」等、少しずつ名前が違います。
昔から食べ慣れているものですが、焼き立てというのは初めてで、あんなにおいしいものだとは思いませんでした。
参加者のみなさんも絶賛でした。
次に築100年以上の古民家を改修した、横田材木を見学。 白子で民間の古民家再生事例としては、唯一と言ってもいい成功例です。 内部は材木店の事務所に併設して、アンティークショップがあります。 まちかど博物館にも登録されており、どなたでも見学することが出来ます。 参加者のお一人は、黄瀬戸という希少な陶器の大皿を購入して、ご満悦でした(笑)
最後に訪れたのは、かつて型紙問屋で財を成した、寺田家を改修した、伊勢型紙資料館。
(写真を撮り忘れたので、以前の空家調査の時のものです)
まずは、型紙の歴史や、製法などのビデオを見せていただきました。
展示コーナーには、非常に精緻な型紙が常設されているのですが、この日は、奥の蔵で人間国宝の方(名前を失念)の作品展示も行われており、その美しさとデザインに目を奪われました。
なお、今回は行いませんでしたが、こちらでも伊勢型紙の体験が出来ます。
ここまでで、白子のツアーは終了。
大体、1日半ほどの行程でしたが、詰め込み過ぎて、少々、時間が短かかったかもしれません。
もう少し、ゆっくりしていただくことも出来るかなと思いました。
参加いただいたみなさんには、大満足のお言葉をいただきました。
今回、ツアー案内を実施して、一泊二日程度で白子観光を満喫出来ることがわかり、今後はモデルプランを作成して、ご紹介できたらと考えています。
(宮崎)